歯科医師になるためには、学校の問題、試験の問題、国家試験合格後の問題などがあり、更には自分が歯科医師に向いているのかどうかという問題もあります。つまり、歯科医師になるためには以上の関門を突破する必要があるということです。そこで、実際にどのように問題を解決していくべきなのか解説をしたいと思います。

歯科医師になるためには

歯科医師になるためには、国家資格である「歯科医師」免許の取得が必要しなければなりません。具体的にはまず高校を卒業したあとに、大学の歯学部もしくは歯科大学(いずれも6年制)を卒業する必要があります。ただ、歯学部等を卒業しただけでは歯科医にはなれず、歯学部等を卒業することで歯科医師免許の国家試験の受験資格を得ることが出来るということです。歯科医師免許の国家試験の受験資格を得てからは歯科医師国家試験に合格し、1年以上の臨床研修を経て、ようやく歯科医師として働くことができます。近年の合格率は厚生労働省の発表によると、2016年度の国家試験の合格率は63.6%です。また、歯科医師の数が過剰となっていることを受けて難易度は年々引き上げられつつあります。一般的には医師免許に合格をすると、ほとんどの人たちは、病院もしくは歯科医院に就職します。

歯科医師免許について

歯科医師として仕事をしていく前提条件は歯科医師免許です。まずは、歯学部等に入学して6年間学んだ後、歯科医師免許受験資格を得て、歯科医師免許国家試験に合格する必要があります。
歯科医師免許試験は筆記試験のみで実施され、年に1回2月に実施されます。もともと歯科医師免許の合格率は80%近くと高かったのですが、近年日本国内の人口減少に伴う一方で、歯科数が増加しており、供給過剰傾向にあり、厚生労働省と文部科学省は歯科医師数を減らすために歯科医師国家試験の合格基準が引き上げていて、合格率も2016年には63.6%にまで低下しました。なお、新卒者に比べて既卒者の合格率は下がる傾向にあり、2016年度の既卒者の合格率は47.4%とさらに落ち込んでいます(新卒者の合格率は72.9%)。厚生労働省及び文部科学省の方針としては高齢化社会及び人口減少の傾向も踏まえて、合格基準の引き上げは当面継続していく模様で、その結果歯科医師免許試験の合格率は今後も低下すると言われています。また、このような社会情勢(高齢化社会と人口減少による歯科医師の供給過剰状態)を踏まえてまた受験回数制限の必要性も議論されていますので、今後は歯学部等に在学中にしっかり学び、新卒時に合格することが歯科医師になるためには極めて有利な状況になると言われています。

歯科医師国家試験

歯科医師になるためには、歯科医師国家試験の合格が絶対的必要条件となりますが、試験の概要は以下のとおりです。
(試験日・試験地・受験資格)
試験日:2月に年1回、2日間にわたって実施
試験地:北海道、宮城県、東京都、新潟県、愛知県、大阪府、広島県、福岡県
受験資格:大学の歯学部もしくは歯科大学を卒業した者(卒業見込みを含む)など

(試験内容の概要)
■身体の正常構造・機能など必修の基本事項を問う問題:約20%
■歯科材料と歯科医療機器などを問う問題:約30%
■歯・歯髄・歯周組織の疾患、顎・口腔領域の疾患などを問う問題:約50%
以上の課題について試験はマークシート方式で出題総数は365題です。

◇歯科医師国家試験合格率(2016年度、第109回)※厚生労働省発表
■全体:63.6%
■新卒者:72.9%
■既卒者:47.4%

専門医・認定医制度について

歯科医師国家試験に合格した後、歯科医師免許の交付を受け、数年の臨床研修、論文や研究発表、症例提示、講義受講等の基準を満たし、試験に合格することで専門医資格を取ることができます。
歯科医師の専門医資格には、厚生労働省から広告可能とされている、
・歯科口腔外科専門医
・歯周病専門医
・小児歯科専門医
・歯科麻酔専門医
・歯科放射線専門医等
さまざまあります。冒頭でもご案内の通り近年における歯科医師過剰と言われる現代では、特定の疾患や症例に対して知識を深め、技術を修得して専門性を高めるということは、歯科医師として生き残っていく上でも大切なことです。

歯科医師免許に付与される資格等

歯科医師免許を取ると、食品衛生管理者、衛生検査技師、衛生管理者の資格が自動的に付与され、臨床検査技師、労働衛生コンサルタント、介護支援専門員については受験資格、または試験の一部免除が与えられます。